京の職人技

洸春窯

高島 慎一

陶芸家

高島 慎一 Shinichi Takashima

1972年京都市生まれ。大学院を卒業後、会社勤めを経て父である故・二代目高島洸春に師事。2005年に三代目高島洸春を襲名する。2012年、京都・清水焼伝統工芸士、京都市伝統産業「未来の名匠」に認定。

父の金言を胸に新たな挑戦を

洸春窯の三代目・高島慎一さんが、父である二代目・高島洸春さんの元に弟子入りしたのは24歳の時。「それまでは会社員として働いていたのですが、ある時、『この工房が父の代で途絶えてしまうのはもったいない』と思ったのが、父に弟子入りをお願いするきっかけです。父は、私が工房を継ぐことに対して賛成も反対もしませんでしたが、『人が代わったらものも変わる。俺と同じものを作るな』と言われたことは、今でも強く覚えています」。

洸春窯

二代目・高島洸春さんが手がけてきた作品は、交趾に手描き友禅の技法であるいっちん盛りを織り込んでいるのが大きな特徴。「父からいっちん盛りを手取り足取り教わったわけではありませんが、高校時代から工房に出入りしていたこともあって、父の作業する姿を見ながら研鑽に努めてきました」と慎一さん。いっちん盛りの魅力は、手にした時の膨らみのある触感。数年前からお客様に「器の手触りが良い」と喜ばれる機会も増え、慎一さんも徐々に手応えを感じているそうです。

交趾に手描き友禅の技法であるいっちん盛りを織り込んでいる

とはいえ、いっちん盛りは父・洸春さんが確立した技法。そこで慎一さんは、自分自身のオリジナリティを求めて、京都の高級レストランやホテルなどからの依頼にも挑戦しています。「様々な要望にお応えするには、交趾やいっちん盛りの技法ではカバーしきれない領域がありますが、同時に新しい技法を会得できるチャンスにもつながります。まだオリジナリティを模索する日々ではありますが、これからもどん欲にチャレンジしたいですね」。

高島 慎一