京の職人技

昇苑くみひも

八田 俊
八田 俊 Shun Hatta

京都市出身。“ものづくり”に興味を持ち、2011年「昇苑くみひも」入社。組紐職人として技術や知識を習得する傍ら、企画・営業も担当し、新たな組紐の魅力や在り方を発信。伝統的な帯締めだけでなく、アパレルやアクセサリーなど新しいジャンルにも積極的に挑戦。

職人の手仕事が支える新しい組紐

帯締めで知られる伝統工芸品の組紐を扱う「昇苑くみひも」。今から70年以上前、帯締めや髪飾りなど、和装小物を手がける工房としてその歴史は始まりました。「創業時は、組台とよばれる道具を使って、手作業で紐を組み上げていました」と、八田さん。「1958年ごろから機械も導入されましたが、昔ながらの手組も変わらず続けてきました。機械は早く均一に美しく仕上がり、手組はひとつひとつに個性が出ますね」。手組と機械、その両方の生産を続けていることが同社の強みとなっています。

昇苑くみひも

かつて、需要の大きかった和装分野ですが、その規模は時代の流れとともに縮小。着物の帯締めの生産数も減少していきました。そんな時代の流れのなかでも、「昇苑くみひも」では、組紐の教室を運営し、職人の手組の技術を大切に受け継いできました。その結果、機械での製造が中心となった現在も、手組でしか応えられない特別な依頼にも対応することが可能に。帯締めだけでなく、日用雑貨やアクセサリーなど、幅広いジャンルのものづくりに挑戦し、さまざまなニーズに沿った、新しい組紐の提案を実現できているのです。

昇苑くみひも

紐を組むまでには、糸の「染色」、糸を木管に巻き取る「糸繰り」、糸を束ねる「経尺」と、3つの工程があります。なかでも、紐の太さや配色を決める「経尺」は組紐づくりの肝。経尺のあとは、手組または機械組による組み上げ。「手組であれば、重り玉に糸を取り付ける玉付けの作業、機械組でも糸に撚りをかけたり、撚りをかけた糸の束をボビンに巻いたりと、紐を組む以外にも手作業の工程が実はたくさんあるのです」と、八田さん。いつの時代も、職人の手仕事がものづくりを支えているのです。

昇苑くみひも